実装を伴うマーケティングの必要性
「顔が見える誰かの理想を叶えるために、マーケティングを生かしていきたい」。
これが、東京で10年以上、デジタルマーケティングに携わってきた私が、福岡県北九州市、門司港に移り住んでも、大切に抱えている想いです。それは、ダイナミックなデジタルマーケティングの下で加速する広告主の成長に歓喜できる第一線の現場に身を置きながら、一方では、時にはそこにいる人々の存在よりも、社内事情や理論だけが先行されていく現場も隣り合わせにしてきた経験に基づいています。
デジタルマーケティングの領域を深めてきたからこそ強く感じた「現場に則した、実装を伴うマーケティング」の必要性。そして、自らが信じるマーケティングを礎に生まれたのが「デコレイトカンパニー」です。弊社ではマーケティング支援事業と、自ら実践し、手を尽くす店舗運営事業の2つの領域を生かし合い、理論を肌で感じ、その実感値を、対応やオペレーション、接客などにも至る眼差しとして「ひとが動いてこそ、実を得るマーケティング」の形を、サービスとして展開しています。
アイデンティティに、彩りを
手触り感を求めて移住したあとも、変わらずに仕事ばかりしていた創業前のクリスマスのこと。世界中で人々が楽しく過ごす希望を持つ日に見かけた“デコレイト”ケーキ、それが「デコレイトカンパニー」の名の由来の一つです。大切な人とカフェに行ったり、旅をしたり、誕生日を祝ったり、クリスマスをはじめ、季節のイベントを楽しんだりするような、喜びある時間が人生にはあって、そんな「ひとのかけがえのない時間を大切にできる提案を届けられるように」という、願いを込めています。
目まぐるしく日進月歩するデジタルマーケティングの業界に携わりながらも、立ち止まり、このようなことを感じ取ることができたのは、現在、私が拠点としている門司港という街にやって来てからのこと。従来の癖で、論理的に思考が傾きそうになった時、近くには旅人や目にかけてくれる地域の方々、街の仲間たちがいて、語り合うことができました。そのなかで、誰かがハイキングに誘ってくれたり、カラフルな生き方を選ぶ人々に会ったり、誰かの思いがけない考え方に触れることで、自分自身のことも知ることができたり。多様な思考に触れ、視点の幅を広げてくれる共生的な時間は新鮮なインプットとなり、デコレイトカンパニーの「アイデンティティに、彩りを添える」マーケティングやカフェ「四稀」にヒントを与え続けてくれています。
目の前のひとを大切に
「マーケティングの力で、世の中を変えたい」と言いたいところですが、弊社にとって大切なのは、あくまでも目の前にいるひと。だからこそ「私たちに求められていることはなんだろう」、新しいお客様や課題に出会うたびに、こんなことを思考することから、デコレイトカンパニーの仕事は始まります。よくある世の中のマーケティングの話をするのではなく、まずは目の前にいるひとのことをよく知り、私たちに求められている立ち位置や助けになることを読み解き、その上で課題を理解すること。至って素朴なやりとりではありますが、お客様にとっても「手触り感のある幸せを生み出す」弊社の信念を生かすためには、欠かすことができない重要なプロセスなのです。
私たちの仕事を通して、マーケティングが商品やサービスを、その向こう側にいるユーザーを、関わるすべての人々を、より健全で、より豊かに導くことができるように。「私たちが持てる手法をどうやって、どのくらい適切に使えば、課題にとって最も効果的なのか—」。まるで、よく足を運び往診するドクターのように、愚直に今日もひとに向き合って、企業の前進のための一手を考えています。
岩本 成矢 Seiya Iwamoto
2009年、東京を拠点とするインターネット広告専門の広告代理店に入社。以来、インターネット広告全般の営業・運用コンサルティング、国内大手顧客との折衝やYouTube広告のプロジェクトリーダーなど、多角的なポジションからデジタルマーケティングの領域を深化させる。その後は経営層としての転職も経験し、独立。大手総合広告代理店常駐のデジタルマーケターとしての在任を経て、2019年にIターン移住先の北九州市・門司港で「株式会社DECORATE COMPANY」を設立。北九州青年会議所所属(2021~)・北九州ものづくり光継会所属(2022~)